たまごは雌鶏しかうめない?

当然のことですが、「たまご」は「雌鶏」しか産むことができません。「たまご」は孵る(かえる)までは、「雄」か「雌」か分からないので「孵化場」で「ヒヨコ」が孵ってから、「雄」と「雌」を選り分ける必要があります。生まれたばかりの「ヒヨコ」の「雄雌」を瞬時に見分けるエキスパートが、「初生ひな鑑別師」という人達です。(最近はよくテレビでみますよね)
 
 
「初生ひな(しょせいひな)」とは、「生まれたばかりのヒヨコ」のことを言います。「初生ひな」の鑑別には非常に鋭敏な「指先の感覚」が求められます。この「鑑別師」は昭和初期に資格検定制度がスタートしました(昭和5年に「初生雛鑑別師」という職業が誕生) 。現在では、農林水産省の指導による民間資格となっています。
 
 
これまでの資格取得者数は「約800名」で、日本人の「鑑別師」は指先が器用なことから、鑑別率「99.5%」以上という正確さで世界的に評価が高く、1930年台には、アメリカやヨーロッパ(特にイギリス、フランス)など海外からもひっぱりだこでした。しかし最近は鑑別師を目指す日本人も減ってきており、代わりに外国人の方が「鑑別師」をやられるという逆転現象が起きてます。

どのように判別するの?

では、どのようにして「雌雄」を鑑別(判断)するのでしょうか。人手による「ヒナの鑑別法」は 「指頭鑑別法」または「肛門鑑別法」と呼ばれています。この方法は、「初生ヒナ」の「総排泄腔(そうはいせつくう:鶏のおしりの穴)の腹側にある「小突起」 (退化交尾器)の有無によって判定するもので「小突起」があれば「雄」、無ければ「雌」ということになります。
 
 
鑑別の仕方は割愛させて頂きますが手順で行ない、鑑別士は小突起を有無を確認し熟練すれば「5~6分」で「100羽」を鑑別できるそうです。この「雌雄鑑別」は「食肉用の鶏」である「ブロイラー」には無関係(飼育の都合により鑑別されることもあります)ですが、「採卵用の鶏」である「レイヤー」にとってば大変重要で欠かせない作業なのです。なんたって、もし「採卵用の養鶏場」に「雄鶏」が納入されたとしたら、「たまご」を産まないのに、「エサ」だけを消費することになりますから。

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近年 さらに進化

このように 「ヒナの雌雄鑑別」は特殊な技能が必要なものですが、近年、鑑別資格のない人でも鑑別が可能なようにするため「ヒナの外見」から「雌雄」の鑑別ができるように、改良された「鶏種」が開発されました。
 
 
外見から判断する方法としては、「羽根の形状」から「雌雄」を鑑別する「翼羽鑑別法(よくうかんべつほう)」、「雄」と「雌」のからだの模様が異なることを利用した「カラー鑑別法」 (「雌」のみに背中に縞模様がある、など)などがあり、「鶏種」の開発メーカーであるデルレブ社やローマン社によって、実用化されています。
 
 
「翼羽鑑別法(よくうかんべつほう)」は、「主翼の発育の遅速」を利用した鑑別方法で「雄」と「雌」の「ヒヨコの主翼」の外見が異なることから鑑別します。これは、「伴性遺伝(はんせいいでん)」に基づくもので「実用鶏」 (コマーシャル鶏)として広く飼育されている「横斑プリマスロック種」の「雌」と、「白色レグホン種」の「雄」をかけ合わせると、「雌ビナ」は「主翼羽の伸び」が「速く」、「雄ビナ」は「遅い」のでこれを確認することによって鑑別できるのです。
 
 
そして最新として現在、たまごの殻にレーザーを当てるだけでオスかメスかを判別する実験を行われています。将来的に生まれてきてから判別するのではなく、生まれる前に判別する方法を現在模索しています。

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もし雄(オス)と判別された場合

では、この鑑別によって「雄」と鑑定された「ヒヨコ」は、どうなるのでしょうか。「採卵用の鶏」と「食肉用の鶏」は品種がまったく異なります。「採卵用の鶏」は、「たまご」を多く産むように開発されたものですし、「食肉用の鶏」は、速く成長して「柔らかい肉質」となるように開発されたものだからです。ですから、「採卵用」として産まれた「ヒヨコ」 (雄)は、食肉用としては使えません。
 
 
数十年前は、「雄のヒヨコ」は「毛皮」に利用された「ミンク」という動物の「エサ」などに利用されていました。しかし、「毛皮」の流通が減少した現在では、利用価値がなくなり、かわいそうですが「産業廃棄物」として処理されています(「炭酸ガス」で「安楽死」されている)(※日本だけでも年間推定約1億羽のオスの雛が孵化した直後に無慈悲に殺処分されているのが現実です!)このように、「養鶏業界」ではより効率良く生産できるように、日々努力しているのです。「美味しく、栄養豊富で安価」と三拍子揃った「たまご」は、このようにして生産されています。
 
 
あらためてですが、鶏やたまご、そして生産者の方や関係者、すべてに感謝の気持ちを忘れてはいけないと思います。ありがとう『卵』

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