命名法とは

「インフルエンザ・ウイルス株」の命名法は国際的に決められており、 「株の名前」だけで「ウイルスの由来」が分かるようになっています。「鳥インフルエンザ・ウイルス株」の「命名」は下記の通りです。
 
 

①血清型 A、B、C
②荷主名 ヒトの場合のみ無記入
③分離地∴ ウイルスが発見された場所
④分離番号 発見された株の番号
⑤分離年 発見された年
⑥血清亜型 ウイルスのタイプ
 
 
ニュースなどで伝えられるのは、このうちの⑥の「血清亜型」でこれはウイルスの表面にある「スパイク抗原」の種類を表わしています。
「人」の「インフルエンザ」の場合も、この⑥の「血清亜型」や、①の「血清型」として報道されています。
 
 
上記の図を例に示すように、最初に表記するのは、①の「血清型」です。「血清型」は「A型」「B型 「C型」の3つがあります。一般に 「人」の「インフルエンザ」で使われている - 「香港型」 「ロシア型」と言うのは、「A型」の「血清型」の「亜型」です。
 
 
次は、②の「宿主名」で「分離」 (検出)された「動物名」を表記します。上記の例では「duck」 (アヒル)ですが、 「人」の場合は省略することになっています。つまり、②の項に何も表記のない場合は、「人」から「分離」 (検出)された「ウイルス」ということになります。
 
 
次の③ば「分離地」で「ウイルス」が「分離」 (検出)された地名を表記します。例では「Tottori」 (鳥取)となっていますが、日本では「県名」を付与することになっています。「イギリス」や「ドイツ」では国名を付け、 「米国」や「カナダ」などの広い国では、州の名前を付けることになっています。

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④は「分離番号」で「ウイルス株」の番号を示しています。次の⑤は、 「分離年」を表わし、例では1977年に「分離」 (検出)されたことを示しています。
 
 
最後の⑥ば「血清亜型」を示します。これは「ウイルス」の表面にある 「スパイク抗原」の種類を表わしています。「スパイク抗原」とは「ウイルス粒子」の外側にある「鍵状」のものです。「スパイク」には「HA (単に「H」とも表現)と「NA」(「N」とも表現)の2種類があります。
 
 
【※注記】「亜型」(亜種)とは、生物分類上の一階級であり「種」の下の階級のことです。「種」として独立させるほど大きくないが「変種」とするには相違点の多い一群の生に用います。「種」と「亜種」を区別する明確な基準はありません(例:北海道に生息する「キタキツネ」は「キツネ」の「亜種」。となる)

高病原性鳥インフルエンザの呼称について

平成23年4月の「家畜伝染病予防法」の改正によって、同年7月1日以降、以下のように呼称が変更されました。
 
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・高病原性鳥インフルエンザ(強毒タイプ)
・強毒タイプの「高病原性鳥インフルエンザ」
⇒高病原性鳥インフルエンザ
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・高病原性鳥インフルエンザ(弱毒タイプ)
・弱毒タイプの「高病原性鳥インフルエンザ」
⇒低病原性鳥インフルエンザ
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高病原と低病原の違いは?

「病原性」 (pathogenicity)とは、「細菌」や「ウイルス」などの「病原体」が、他の生物に「感染」して、「宿主」に「感染症」を起こす性質や能力のことです。「鳥インフルエンザ」における「高病原性」と 「低病原性」の定義は下記の通りです。

出典:「高病原性」および「低病原性」の鳥インフルエンザに関する「特定家畜伝染病防疫指針」など
 
■【高病原性 鳥インフルエンザ】「国際獣疫事務局」(OIE)が作成した診断基準によって「高病原性鳥インフルエンザ・ウイルス」と判定された、「A型インフルエンザ・ウイルス」の感染による「家禽の疾病」を言う。日本の「家畜伝染病予防法」では、「H5型」と「H7型」のすべての「鳥インフルエンザ・ウイルス」を、「高病原性」と定義している。
 
■【低病原性 鳥インフルエンザ】「H5」または「H7亜型」の「A型インフルエンザ・ウイルス」(「高病原性鳥インフルエンザ・ウイルス」と判定されたものを除く)の感染による、「家禽の疾病」を言う。

強毒性と弱毒性の定義とは?


「毒性」(virulence)とは、「病原体」の「毒力」のことで、「感染症を引き起こす能力」や「重症化させる能力」の強さを指します。「強毒性」とは、「ウイルス」などの「病原体」によって「感染症」が発症したとき、「重症化させる能力」が強いことを示します。「弱毒性」とは、同様の「感染症」が発症したとき、「重症化させる能力」が弱いことを示します。(さらに詳しい情報はこちらをご覧ください:農林水産省)

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