コレステロール=悪?

コレステロールと聞くと、なぜか悪者のイメージがありますがとんでもないです。コレステロールとは体内で合成される脂質で、私たちの体内にある60兆の細胞の膜や脳の情報伝達物質、性ホルモンや副腎皮質ホルモンなどの材料となる、大変重要な物質なのです。細胞や脳の機能保持をはじめ、生体をスムーズに機能させるためには、なくてほならないものです。
 
 
また血中のコレステロールは、LDLコレステロール(低密度リボたんばく質)とHDLコレステロール(高密度リボたんばく質) とに分類されますが、前者のLDLは組織にコレステロールを運び、後者のHDLは、組織からコレステロールを回収する働きがあります。
 
 
一般にLDLが悪玉、HDLが善玉と呼ばれていますが、どちらもなくてほならないもので、多すぎなければ危険な物質ではありません。
 
 
ただLDLが酸化すると血管内膜に付着するプラークとなり、動脈硬化の危険が出ることから、「悪玉」扱いされているものだと思います。善玉、悪玉という分け方になっているものの、いずれも役割が違うだけで、私自身は、両方とも大切な物質だと思っています。
 
 
一般の健診ではLDLの数値が高いと薬を出されますが、私が大切だと思うのはバランスです(コレステロール値が300以上など異常に高い場合は除く)。
 
 
2014年の4月から健康診断やドックなどで、コレステロール値の正常値の上限が大幅に上げられたことで、コレステロールの大切さや、単独の基準値での危険性よりトータルのバランスが重要と伝えられるようになりました。総コレステロールが単純に高いだけで、すぐに薬で下げる必要がないという見解が最近の傾向です。

スポンサーリンク


コレステロールが悪者にされた間違った根拠


では、なぜそれほどまでに、今までコレステロールが悪者になっていたのでしょうか。コレステロールが悪者になったきっかけは、1913年にさかのぼります。ロシアの病理学者ニコライ・アニチコアによる実験で、うさぎに大量のコレステロールを投与したところ、動脈硬化が起こったのです。
 
 
うさぎは、耳の皮を1枚はがせば簡単に血管状態を観ることができることから実験動物に選ばれたものの、草食動物です。そもそも、うさぎは肉類や魚類は食べないので、その実験に向いていたのかどうか。しかも、腐って酸化したコレステロールを食べさせたのです。
 
 
アメリカや後年の日本でも同様の実験をし、この結果を踏まえ、コレステロールが動脈硬化を起こす。だから、コレステロールが豊富に入っている卵はひかえなくてはいけない、という説がこれまで広まっていたのです。
 
 
けれども人間は、うさぎと違う消化機能を持っています。確かにコレステロールと動脈硬化は無関係ではありません。多すぎたり、LDLコレステロールが酸化すると、リスクは出てきます。

スポンサーリンク



しかし人間は草食動物ではないので、コレステロールを摂取しても、健康であればコレステロール量は常に一定に保たれる生体恒常性(ホメオスタシス) でコントロールされています。
 
 
とればとるほど、増えるものではなく、一定の値までいったら、それ以上は上がりません。人間は、食べた全ての食材をそのまま吸収せず、小腸で栄養素を吸収する時に、余分なものは排泄する素晴らしいメカニズムがあるのです。
 
 
第一、コレステロールは食べもので摂取する分は、血中の総コレステロールの3分の1にしかならず、そのほかは体内の物質から肝臓で再合成されているので、極端にコレステロール値が高い人は、別に要因があることが多いのです。
 
 
仮にコレステロールが高くても、動脈硬化を起こすのはLDLが酸化した場合で、それはビタミンA、C、EやCOQ10などの摂取で、防御することができます。
スポンサーリンク